「話題になった本」は一応チェックする事にしています。
ただ「話題になっている本」という事で、私の中で非常に期待値が高くなっていて読んだ後に「・・・んっ!?」と思ってしまう事もしばしばです。
さて、今回ご紹介するこの本、「#真相をお話しします」ですが、重版に継ぐ重版でベストセラーとなっております。
「テレビ、新聞、ラジオ、SNSで話題沸騰!」と帯にも書いてある通り、間違いなく「話題になっている本」です。
(本屋大賞ノミネート・第74回 日本推理作家協会賞 短編部門)
非常に面白いと評判のこの本、さて私の期待値を超える作品となっているのでしょうか?(上から目線で申し訳ございません💦)
では読んでいきたいと思います。
「#真相をお話しします」 結城 真一郎
子供が四人しかいない島で、僕らは「YouTuber」になることにした。でも、ある事件を境に島のひとたちがよそよそしくなっていって……(「#拡散希望」)。日本の〈いま〉とミステリが禁断の融合! 緻密で大胆な構成と容赦ない「どんでん返し」の波状攻撃に瞠目せよ。日本推理作家協会賞受賞作を含む、痺れる五篇。
この本の著者の結城 真一郎さんは東大法学部卒で2018年に「名もなき星の哀歌」で第5回新潮ミステリー大賞を受賞し、翌年の2019年に同作でデビューされました。
ちなみにこの本は短編を5話収録しています。
「惨者面談」 家庭教師の仲介営業マンとしてしのぎを削る大学生が、とある家族の異変に気がついて……。 「ヤリモク」 「パンドラ」 「三角奸計」 リモート飲み会に興じる腐れ縁三人組。でも、久しぶりの「再会」にはある思惑が……。 第74回 推理作家協会賞〈短編部門〉受賞作
「#拡散希望」島育ちの仲良し小学生四人組。人気YouTuberを夢見た三年前。そう、あの日から全てははじまった――。 結城真一郎『#真相をお話しします』特設サイト | 新潮社 (shinchosha.co.jp)
読んでみた感想は?
伏線はあるのですがそれに気付く事もなく、最後のどんでん返しとひねりのある内容で非常に楽しく読めました。
まずは1話目の「惨者面談」を読んでみると、最後にどんでん返し?があり、「ほほ~っ、ひねってくるなぁ~!!」「こういう感じでくるのか⁉」と、2話以降が楽しみになるようなお話でした。
次のお話から、じっくりと違和感に気を付けながら読んでいく事にします。
2話目以降、話の”罠”に引っかからないように読み進めましたが「あぁ、そうくる?」「あぁ、そういうこと?」としっかり罠にはまりました。
全体的に謎が解けてスカッとするお話というより、なんていうんですかね?、非常に嫌な気分?というか、なんかスッキリしないというか?、ハッピーエンドの話ではない所がこの本の面白い所なのです。(たぶん)
短編集なので、普段本を読まないという人も読みやすい本で、しかも一つひとつの話が面白く読めて、一度読んだ後にどこに伏線があったのか?読み直してしまう程よくできています。なるほど人気が出るはずだと思いました。
ただひとつ、短編にはつきものだと思うのですが、長編のように主人公に感情移入がしにくかったり、話の背景をもうちょっと深堀して欲しいかな?と思いました。
(生意気にも評論家気取りしてしまいました!)
この本のおすすめ度は?
読んでいて何か違和感を感じる(良い意味で!)度、★★★★星4つ
短編で読みやすい度、★★★★★星5つ
総合おすすめ度は星★★★★4つでした。