え~、今回ご紹介するのは「第18回このミステリーがすごい!」大賞受賞作の「紙鑑定士の事件ファイル・模型の家の殺人」です。
私は小説を選ぶとき、「このミステリーがすごい!」や「本屋大賞」などの受賞作、これらの賞にノミネートされた本を選ぶことが多いのです。
「芥川賞」や「直木賞」などは非常に有名ですが、私は文学的センスがないため読んでみても「?」となる事が多々あります。
しかし「このミステリーがすごい!」「本屋大賞」は私にとって”外し”が少なく非常に楽しめる作品が多いのです!
さて、今回の「紙鑑定士の事件ファイル・模型の家の殺人」はどうなのでしょう?
早速読んでみましょう!
「紙鑑定士の事件ファイル・模型の家の殺人」 歌田 年
2020年 第18回
『このミステリーがすごい!』大賞
大賞受賞作
どんな紙でも見分ける紙鑑定士と、伝説のプラモデル造形家が、ミニチュアハウスに隠された殺人計画を追う!
その紙が答えを知っている――。
事件を解く鍵となる手紙を実際に手にとって、真相にたどり着け!
満場一致の高評価で大賞を獲得!
紙にまつわる蘊畜と模型にまつわる蘊蓄が披露され、ダブルで面白い。
語り口とキャラクターは即戦力。
――大森 望(翻訳家・書評家)
紙鑑定士に模型のモデラ―という未知のキャラクターにまず惹かれた。
彼らの繰り出す蘊蓄も巧みに事件に活かされ、独自の探偵物語の生成に成功している。
――香山二三郎(コラムニスト)
模型や紙について繰り出されるマニアックな蘊蓄が面白いだけでなく、
それらの知識の情報が、しっかり事件や捜査と絡んでいるため、飽きることなく最後まで読ませる。
――吉野 仁(書評家)
どんな紙でも見分けられる男・渡部[わたべ]が営む紙鑑定事務所。
ある日そこに「紙鑑定」を「神探偵」と勘違いした女性が、彼氏の浮気調査をしてほしいと訪ねてくる。手がかりはプラモデルの写真一枚だけ。ダメ元で調査を始めた渡部は、伝説のプラモデル造形家・土生井[はぶい]と出会い、意外な真相にたどり着く。さらに翌々日、行方不明の妹を捜す女性が、妹の部屋にあったジオラマを持って渡部を訪ねてくる。土生井とともに調査を始めた渡部は、それが恐ろしい大量殺人計画を示唆していることを知り――。
読んでみた感想は?
「紙鑑定士」を「神探偵」と間違えて浮気調査を依頼される。そこから物語が始まります。そんな間違いある?とも思いましたが主人公の調査が進んでいくにしたがって物語に引き込まれていきます。
主人公は探偵ではなく”紙の鑑定”が専門ですから自分一人で調査できるはずもなく、モデラー(模型を作る人)の”土生井(はぶい)”にアドバイスを受けながら調査を進めていくのですが、この人が主人公より鋭い考察力があったり登場人物個々に魅力があり、それもこの本を面白くしている要素になっている気がします。
推理ものって、時々こじつけが過ぎる推理みたいなものがあったりするのですが、全体的にうまくまとまっていて、展開がスピーディで字も小さくページ数も多いのですが、中だるみする事もなく一気に読み進めることが出来ました。
個人的な話ですが、最後の終わり方が非常に私好みで「この後の続きが気になるし、たぶん続編も出るな!」と感じさせてくれました。
ちなみに続編はこの後”2冊”出ています。
この本のおすすめ度は?
「紙鑑定士」「モデラー」など専門的な職業に興味が出る度、★★★★星4つ
おススメかと言えばどうかな?度、★★★★星4つ
個人的に面白いかと言われれば度、★★★★★星5つ
総合おすすめ度は星4個★★★★でした
追伸
この物語に出てくる”土生井”。読み方はちょっと難しく「はぶい」なのですが、私の小中学校の同級生の”土生(はぶ)”さんと言う女の子の事を思い出しました。
とても感じが良くかわいらしい子で、昔の事を思い出し「今は何してるんだろう?結婚して幸せにしているのかな?」など思ってしまいました。(ちょっとキモイですか?)
まったくもって、どうでもよい話でしたね。